「妊活」にイイことは?

妊娠中の【ヨウ素(ヨード)】

実際のクライアントから頂いた【妊活で気になること】Q&A

Q:「妊娠中のヨウ素(ヨード)の摂り過ぎって
  どのくらい?」

A:「 結論からお伝えすると、酢昆布や
  昆布の佃煮、おぼろ昆布、とろろ昆布など
 『昆布そのもの』をしょっちゅう
 食べなければ、そして昆布だし汁を
 何杯もスープのように連日飲まなければ、
 特に心配いりません。

 ただし、元々昆布好きの方は摂り方に
 注意が必要です。詳細は後述します。」

そもそもヨウ素とは?その働きは?

ヨウ素は、食品中に存在するミネラルです。
体内で甲状腺ホルモンを合成します。この
ホルモンは新陳代謝など重要な機能を調節
しています。

また、甲状腺ホルモンは、妊娠・授乳期に
胎児や乳児の骨や脳が正常に発育するため
にも必要になります。

ですから、十分な量のヨウ素を摂取すること
は胎児や妊娠中の女性には特に重要です。

ただし、日本では魚や海藻、エビなどヨウ素を
豊富に含んでいるものを摂る機会が多いです。
なので海外のように「ヨウ素が不足する」と
言うよりも、「ヨウ素の摂り過ぎ」が日本では
注意喚起されています。

妊婦さんがヨウ素を摂り過ぎると、赤ちゃんに
健康被害(甲状腺機能低下)が生じる可能性が
あります。

妊婦さんのヨウ素の必要量と上限量について

まずヨウ素の必要量ですが、世界中の
約70%の家庭で、ヨウ素添加塩が使われて
いるのに対して、日本人のヨウ素の摂取量は
諸外国と比べると一般的な食生活にて自然と
しっかり摂れています。

なので、日本人において平均必要量を示す
有用な報告はありません。

また上限量に関しては、日本人の一般的な食生活に
おいてヨウ素の過剰摂取による健康障害がほとんど
認められてないので、諸外国よりもかなり緩めの
上限となっています。

日本人の1日のヨウ素摂取量は、
あまり摂らない日と沢山摂る日を加味すると
平均値として1500㎍/日(約1.5㎎/日)
なります。

成人の推定必要量は130㎍/日(0.13㎎/日)
(但し、日本人を対象にしたデータがないため
アメリカ人を対象とした研究データに基ずく)

妊婦さんの場合は、130㎍にさらに胎児の分
110㎍を考慮して、ヨウ素必要量
240㎍/日(0.24㎎/日)

妊婦さんのヨウ素上限量
2000㎍/日(2㎎/日)
この上限値は、通常成人女性は
3000㎍/日(3㎎/日)ですが、胎児や乳児は、
他の年齢層よりもヨウ素の過剰摂取による影響が
大きいと考えられるので、妊婦さんは定期的な
高ヨウ素の摂取には注意する必要があるため
上記のように設定されています。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準
        (2020年版)」 より
   厚生労働省『「統合医療」に係る
   情報発信等推進事業』海外の情報 より

具体的に何にヨウ素がどのくらい含まれているか?

◎刻み昆布100g→230000㎍(230㎎)
◎昆布佃煮100g→11000㎍(11㎎) 
◎昆布だし100g→5300㎍(5.3㎎)
◎昆布だし(煮だし)100g→11000㎍(11㎎) 
◎かつお昆布だし100g→1500㎍(1.5㎎)
◎乾燥わかめ(水戻し)100g→1900㎍(1.9㎎)
◎ひじき(ゆで)100g→960㎍(0.96㎎)
◎もずく100g→140㎍(0.14㎎)
◎三杯酢100g→150㎍(0.15㎎)

参考:文部科学省「食品成分データベース」より

上記のヨウ素含有量を実生活レベルで考えてみると、、、

◎刻み昆布 100g→230000㎍(230㎎)
 これは注意が必要です。
 おぼろ昆布・とろろ昆布など削ったこんぶも
 刻み昆布と同様に考えてよいです。

 例えば…
 市販の「無添加とろろこんぶ」は1袋で
 約25g。味噌汁やうどんにはそのうち
 一つまみ入っているのが一般的です。

 商品サイトのレシピには一つまみ約3gと
 ありました。
 刻み昆布一つまみ3gとすると…
230000㎍(230㎎)×3/100
 =6900㎍(6.9㎎)のヨウ素量

 そしてもう一例…
 市販の「酢こんぶ」1箱15g(約17枚)
 1枚約1gとして…
230000㎍(230㎎)×1/100
 =2300㎍(2.3㎎)のヨウ素量

 ヨウ素6900㎍と2300㎍は
 なかなかの数字ですよね。
 
 このとろろ(おぼろ)昆布に関しては、
 うどんやみそ汁に通常入っている量を
 不定期に食べる程度なら問題ないです。
 ヨウ素は連日もしくは大量に
 定期的に摂らなければ体外に排出され
 ますので、ご安心ください。

 酢昆布を持ち歩いて常に食べる習慣が
 ある方は妊娠中・授乳中は控えましょう。

 昆布好きの方には辛いですが、よろしく
 お願いいたします。
 また心配な方はストレスになりますので、
 上記のような昆布の摂り方は控えましょう。

◎こんぶ佃煮 100g→11000㎍(11㎎) 
 これは、ものによりますが佃煮の瓶詰1つは
 内容量が約80gです。
 一日で完食する人は少ないですので、
 そんなに心配はいらないかと思います。

◎こんぶだし100g→5300㎍(5.3㎎)
 「ほんだし こんぶだし」8gスティックの場合
 ○すまし汁1杯分はスティック
  1/8本(1g)を使用。
  それに含まれるヨウ素:130㎍(0.13㎎)
  ※商品掲載の数値
 ○こんぶだしのお茶漬け1杯はスティック
  1/2本(4g)を使用。
  それに含まれるヨウ素:
   130×4=520㎍(0.52㎎)
  ※商品掲載の数値を基にした単純計算にて

 こちらも料理によりますが、そんなに
 心配はいりません。

◎こんぶだし(煮だし)100g→11000㎍(11㎎)
 煮だした昆布だしは、さすがに数字が大きい
 ですが、実際の料理ですとお鍋や湯豆腐をして
 豆腐を食べる等するイメージでしょうか?
 あまり連日飲むイメージはないですので、
 大丈夫かと思います。

◎かつお昆布だし100g→1500㎍(1.5㎎)
 クックパッドを見てみると、使い方としては…
 保育園の給食として、うどんのだしに150g
 使われたりしていました。

 かつお昆布だし150gですと…
1500㎍(1.5㎎)×150/100
  =2250μg(2.25㎎)

 これもヨウ素量はやや多めですので、
 うどんのように汁が多いものを作って、
 何杯も飲んだり、連日飲むことは
 妊娠中・授乳中は控えたいところです。
 
 しかしながら主に汁を飲むものでなければ、
 大丈夫です。

◎かつお節100g→45㎍(0.045㎎)
 「ほんだし」(風味原料:かつおぶし粉末、
  かつおエキス)の8gスティック
 栄養成分表示(みそ汁1杯分(1g)当たり)の
 ヨウ素は0mg。
 ヨウ素が全くの0には若干の違和感はありますが^_^;
 0に限りなく近いということでしょう。

 素うどん1杯のだし汁250cc(ml) に対して
 ほんだし小さじ2杯とありますので、
 かつおだしのうどんは安心して食べられます。

◎乾燥わかめ(水戻し)100g→1900㎍(1.9㎎)
 コンビニサラダ「チョレギ風サラダ わかめ入り」
 これなどは全体136.5gのうち、わかめは入っていますが
 多く見ても1/4~1/5です。

 つまりわかめ実質量は20~25g。よって
 ヨウ素の量は1900÷4~5=380~475㎍

 以上の数値から推測するに、わかめうどんも
 わかめサラダも一般的な量ですと、
 安心して食べられます。

◎ひじき(ゆで)100g→960㎍(0.96㎎)
 クックパッドを見てみると…
 ひじきメインの料理(ひじきの煮つけ等)で
 ひじきの使用量は50g以下
 単純計算すると、ヨウ素は
960㎍(0.96㎎)×50/100=480㎍(0.48㎎)

これも安心して食べられます。

◎もずく100g→140㎍(0.14㎎)
◎三杯酢100g→150㎍(0.15㎎)
セブンイレブンのもずく酢(三杯酢)1つ70gなので、
単純計算すると、
ヨウ素は290㎍(0.29㎎)×70/200=101.5㎍(0.1015㎎)

こちらも安心して食べられます。

まとめ

以上のことから、
酢昆布や昆布の佃煮、とろろ(おぼろ)昆布
など『昆布そのもの』をしょっちゅう
食べなければ、そして昆布だし汁を
何杯もスープのように飲まなければ、
ヨウ素を摂り過ぎる心配はないです。

普段から酢昆布をよく食べるなど昆布好きの方は
注意が必要ですが、基本的に海藻は身体に大切な
栄養素をたくさん含んでいるものなので、
バランスよく摂っていただきたいです。

最後に

以上が、
Q「妊娠中のヨウ素(ヨード)の摂り過ぎって
 どのくらい?」    
のお答えになります。
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