「鍼灸」を知りたい!

【鍼灸についてさらに詳しく】①鍼灸の歴史

①鍼灸の歴史

【鍼灸の歴史】

鍼灸医学は今から二千年以上前に、古代の中国で誕生しました。
日本には6世紀の初め(飛鳥時代)に仏教の伝来から11年後に
渡来したと云われています。その後に、漢方薬も渡来しました。

古代の中国では、揚子江流域とその南方は地質が豊かなので、
さまざまな植物の根・皮・木・草等を採集して煎じて飲む
漢方薬が発達したとされています。

一方、黄河流域は土地が痩せて植物の種類も少なく、
生育が悪い地方では漢方薬に頼りがたく、
鍼灸療法が発達したと言われています。

この2つの医学は、中国の「漢」の時代にひとつに集大成され
ましたので、今日では「漢方医学」と呼ばれています。
いわゆる「東洋医学」のことです。
この漢代に、東洋医学のバイブルである古典医学書
「黄帝内経」(こうていだいけい)が編纂されました。

鍼灸医学は、日本に渡来して以来明治時代の初期までの長い間、
漢方薬と共に医学の主流として広く人々に親しまれてきました。
ところが幕末のオランダ医学(西洋医学)の伝来によって次第に衰退を
余儀なくされてきました。

なぜ、そうなってしまったのでしょうか?

欧米化政策がひとつの理由ですが、
その他として東洋医学は内因性の病気(内科疾患)には、
その特徴を生かし治療効果もそれなりに評価されてきましたが
外因性のもの(外傷)にたいしては効果が遅いことも理由として
挙げられています。特に、戦場などで受けた外傷に対しては、
西洋医学の外科の方がはるかに役立ちましたから
東洋医学が軽視されたとも言われています。

しかし、最近では、公的な医学研究所・医科大学・鍼灸大学や
鍼灸短期大学・鍼灸専門学校・医療機関等で科学的な各種の実験、
研究がされて少しずつ鍼灸医学の効果が証明されてきましたので、
日本をはじめとしてアメリカやヨーロッパ各国でも鍼灸が
盛んになってきました。私の修業時代(東京)には
特にフランス人の方がよく鍼灸を受けに来られていたのを
覚えています。

【鍼灸の流派】

大きく分けると3つ。

A、 陰陽五行理論ベースの『黄帝内経』系の古典的鍼灸、

B 、現代中医学の影響を受けた現代中医学的鍼灸、

C 、現代医学をベースにした現代医学的鍼灸、

などがあります。
当院は主にAの手技にて施術させていただきますが、
B・Cに含まれる臨床において有益な理論・手技は使っております。

【お灸の歴史】

当院の1つの特徴でもある、
伝統的なお灸療法。
こちらの歴史も振り返ってみたいと思います。

2000年以上前に生まれた中国最古の
医学書「黄帝内経」には「お灸」に
ついても記されていました。

しかもお灸による治療法は、その時代に
ほぼ現在のカタチが完成していたと言われている
ほど古くから行われています。

このお灸が日本に伝えられたのは
奈良時代、仏教とともに中国から伝えられました。

実は、日本では平安時代までは灸治療が中心で、
鍼は主として外科的な処置を行う(膿を切開するなど)際に
用いられたようです。

室町時代になると、僧医以外にも、眼科、金創(切り傷の治療)、
産科などを専門とする医師が生まれ、民間では灸治が盛んになりました。

江戸時代には鍼法が盛んになってきましたが、
灸治も廃れることはありませんでした。

『奥の細道』(松尾芭蕉)でも養生の一環として
足の三里へのお灸が紹介されています。

参照:公益社団法人日本鍼灸師会「鍼灸って何だろう?-鍼灸の歴史」
   東京有明医療大学「鍼灸の世界-鍼灸の歴史」
  「鍼灸の歴史」国立大学法人 筑波技術大学 形井秀一先生
   せんねん灸「お灸がたどってきた道」

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